皆さんは一般的に詐欺についてどの程度の認識がありますか?
多くの方が「自分は大丈夫」や「自分は騙されない」と思っておりませんか。
当サイトスタッフの元金融機関の職員としての経験からいえば、失礼ですがそういう自信家ほど危ないのです。
実際にとある詐欺にあった方は自信満々に「大丈夫」とおっしゃられていました。
今回は増加しているAmazonギフト券詐欺とその返金方法をご紹介したいと思います。
目次
詐欺にあわない最初の一歩は「冷静さ」
Amazonの公式ホームページによればSMSやEメール、電話、はがきなどで最初の連絡が来る事が多いようです。
筆者自身も何度かAmazonの料金未払いで訴訟を起こすという内容のメールを受け取った事が有ります。
具体的には下記の画像と同じような文面の携帯メールが来ました。
普通はいきなり訴訟を起こされると言われればびっくりしてしまうでしょう。
あわてて相手に連絡を取ってしまう方も多いようです。でもそこで不安でしょうが一息ついて下さい、警視庁でもホームページでも強く呼び掛けています。
ここでの重要なポイントは
- 身に覚えのない請求は払う必要がない
- 相手に連絡するだけでも個人情報を知られる
- 心配ならとりあえず警察に相談するとなります
不審なメールなどが届いても慌てずとりあえず一回深呼吸してください。一息つく事で気分を落ち着けて冷静に対処することができるようになります。
特にAmazonではAmazonギフト券はAmazonサイト内でのお買い物のみにお使いいただくものであることやそれ以外での使用はできないことを利用規約で注意しておりますので、それだけでも頭に入れておくと「おかしいな」と気づくきっかけになります。
詐欺にあってしまったお金は取り返せる?
次に残念ながら詐欺の被害にあわれてしまわれた方に返金が出来るかをご説明します。
結論から申し上げますと残念ですが返金はかなり難しいです。
ですが可能性はゼロではないので詐欺にあった場合の対処法をご案内します。
まずはAmazonのカスタマーセンターに問い合わせて頂くことが第一となります。
そして最寄りの消費者センターや警察(特に生活安全課が詐欺事件の担当になります)に連絡して被害届を提出しましょう、これが基本的な流れになります。
特に直ぐにしていただきたいのは、Amazonのカスタマーセンターへの連絡です。
Amazonの会員登録をされている方なら、下の画面に従って進むと連絡できます。
会員登録をされていない方は会員登録していただいた後に以下の事をしてください。
STEP1
Amazonのトップページの一番下にこのような画面がありますので「ヘルプ」をクリックしてください。
STEP2
また下の方にこのような画面がありますので「問題が解決しない場合は」をクリックしてください。
STEP3
その後右側にこのような表示があらわれますので「カスタマーサービスに連絡」をクリックしてください。
STEP4
そうするとこの画面になりますので、「お問い合わせ内容」を「その他」にしてご希望のお問い合わせ方法を選択してください。
もし、使用された後でもギフト券の残高が残っていれば返金の手続きを行う事が可能であるとAmazonの担当部署に確認しております。
次は警察に通報をしよう
通報が早いほど犯人逮捕の可能性が高まりますので、こちらも出来る限り早い通報をお願いします。
ただし警察も、担当によってそうした詐欺事件の詳しい対処法を知らない人も多いです。
また、被害が少額だと全く相手にしてくれないケースなんてのも本当に良くある事です。
むしろ数十件に1件程度扱ってくるかどうかのレベルです。
例えば、私たちにとって10万円は大金ですが、警察からしたら10万円程度の被害では小額過ぎて動く気にならないのです。
ただ、当サイトとしての経験では、住んでいる場所を管轄する警察署の生活安全課に連絡していただくと、こうした詐欺事件を専門とする警察官が対応してくださるので一番親身な対応をしてくれると感じております。
警察では被害届の提出を行い受理されて初めて捜査を行い、詐欺の相手を逮捕すれば返金の手続きを行う事が出来ます。
その際に届いたメールや電話、手紙などの記録が残っていると捜査の手掛かりとなりますので、詐欺にあって不快でしょうが証拠としてなるべく犯人からのメールなどは保存しておきましょう。
消費生活センターも相談してみる
警察が動いてくれれば問題ないのですが、消費者生活センターにも相談してみることをお勧めします。こちらも無料で親身になって相談に乗ってくれます。
特に詐欺被害の相談に特化している機関ですので、知識や経験も豊富ですので適切なアドバイスを頂けます。
最後に警察が犯人を逮捕した場合は損害賠償請求で返金を求める必要もあると思いますので、こちらは消費生活センターと弁護士にご相談いただくのがよろしいと思います。
参考として各機関の連絡先を載せておきますので「とりあえず相談する」ことが詐欺にあった時には一番するべき事です。
ただお分かりかと思いますが、一回詐欺師にギフト券の番号を送ってしまうと取り戻すのにものすごい時間と労力が必要となります。
そのため上記のように詐欺にあわないように事前で食い止める事がとても重要となります。正に「注意一秒、怪我一生」のことわざ通りかと思います。
各機関の連絡先
- 消費者ホットライン:局番無しで188
- 警察相談専用電話:♯9110
- 日本司法支援センター法テラス(犯罪被害担当):0570-079714
詐欺にあったなんて恥ずかしくて誰にも言えない
こちらもよく聞くお悩みです。
実際に私も金融機関の窓口職員として勤務していた時に、お客様からこんな相談をされたことがございます。
特にご高齢の方などは詐欺にあった自分の不注意を責めて泣き寝入りしてしまう事もあるようです。
お若い方でもAmazonギフト券の買取詐欺などではギフト券の利用規約に違反したという後ろめたさから相談できない方もいらっしゃるようです。
しかし本当に悪いのは詐欺を働いた犯罪者であって被害者ではありません。
上記のように詐欺にあったらまず相談していただく事が解決の第一歩です。
不要な罪悪感を被害者の方が持たないようにもしご家族が被害にあわれたら責めるのではなく、一緒に寄り添ってあげてください。
また、普段から家族でこまめに連絡を取り合ってコミュニケーションをしておくのも相談しやすい環境づくりに役立ちます。
当たり前のような事ですが、詐欺にあわれた方で泣き寝入りしてしまう方はこうした事が出来ていないご家庭の方が多いようです。
簡単なようでなかなか難しい事もあるでしょうがご家族のサポートが詐欺被害者の一番の支援であるのは間違いありませんので、悪いのは全部犯罪者と頭の片隅でも覚えておいていただければと思います。
まとめ
Amazonギフト券詐欺について取り上げてみましたがいかがでしたでしょうか。
とにかく詐欺にあわないコツは「冷静な判断」です。
人間慌てていると周囲の言葉に耳を貸さないようになって視野も狭くなります。
誰しも慌ててしまうと頭が混乱してしまい、せっかく未然に防げたかもしれない詐欺にあってしまうかもしれません。
そして一度詐欺にあうと返金には膨大な労力がいる事がお判りいただけたと思います。
さらに一度詐欺にあった方は個人情報が詐欺師ネットワークの言葉は悪いですが「カモリスト」に載せられてしまって次々と振り込め詐欺などの連絡が届くようになってしまいます。
皆様が詐欺にあわないように振り込め詐欺対策チームの警察官の方が仰っていたこの言葉をご紹介したいと思います。
現役の金融機関職員時代に聞いた言葉ですが、まさにその通りだなと感心させられました。実際に現役時代には大体1カ月に一回は市内の金融機関で怪しい送金や払い戻しがあった経験があります。
それほど世の中に詐欺が蔓延しているのに「自分だけは大丈夫」と過信して頑なに自分を信じるのはとても危険です。
オレオレ詐欺は警察の努力や各金融機関で怪しい取引の情報共有を徹底したおかげで被害額は減少傾向にありますが、架空請求詐欺(今回取り上げたAmazonギフト券詐欺もこの一種です)と合わせて被害件数は増加傾向にあり依然として注意が必要です。
とにかく何度も恐縮ですが詐欺にあったら連絡しない、送金しない、誰かに相談するのが一番の対策となります。
どうかこの記事が皆様が詐欺にあわれないようになるための手助けになる事を祈ってまとめとさせていただきます。
わたしも詐欺に会いました。docomoを名乗って2億円が当たりました。今日中にアマゾンギフトカード3000円を買って領収書と共に写メールで送れと言うもの、カード番号も入力して送れと言うものでした。ふらふらとそれに乗ってしまいました。わざわざ服を着替えて近くのコンビニにまで行き、使ったことも使う予定もないアマゾンカードを買いにいって不馴れなメールに応答してしまう、さながら魔法に掛けられたような一時でした。その間10回ほど絶え間なく電話が来ました。最後に10分ほど時間がほしいというメールが来て、怖くなって電源を切りました。
後でネットで調べたらよくある手口なんですね。クワバラクワバラ!さらに手口は巧妙になっていくはずです。